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相続登記をしないとどうなる?

2026/08/31

相続登記をしないとどうなる?

過料・売却できない・相続人が増えるリスクを司法書士が解説

「親が亡くなったけれど、不動産の名義を変更していない」

「相続登記をしなくても、実際に住んでいるから問題ない?」

「相続登記をしないと罰金を取られるの?」

「何年も前に父が亡くなったけれど、土地の名義が父のままになっている」

相続が発生すると、このような疑問を持つ方は少なくありません。

 

結論|相続登記をしないと、さまざまな問題が発生する可能性があります

 

相続登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料の対象となるほか、不動産の売却や担保設定が難しくなったり、時間が経つことで相続人が増え、手続きが複雑になったりする可能性があります。

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続によって不動産を取得したことを知った相続人は、原則として3年以内に相続登記を申請しなければなりません。

正当な理由がないのに申請義務を怠った場合は、10万円以下の過料の適用対象となります。

また、2024年4月1日より前に発生した相続についても相続登記の義務化の対象となっており、原則として2027年3月31日までに相続登記を申請する必要があります。

ただし、相続登記をしないことの問題は「過料」だけではありません。

むしろ、実務上は将来の売却や相続手続きが難しくなることのほうが大きな問題になるケースがあります。

 


相続登記をしないとどうなる?4つの主な問題

相続登記を放置すると、主に次のような問題が考えられます。

  1. 10万円以下の過料の対象になる
  2. 不動産の売却や担保設定などが難しくなる
  3. 相続人が増えて、遺産分割協議が難しくなる
  4. 誰が所有者なのか分からない「所有者不明土地」につながる

順番に説明します。


1.10万円以下の過料の対象になる

2024年4月1日から、相続登記は義務となりました。

相続や遺贈によって不動産を取得した相続人は、原則として、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由がないにもかかわらず、この義務を怠った場合には、10万円以下の過料の適用対象となります。

ここで注意したいのは、「罰金」ではなく過料だということです。

また、期限を過ぎたら自動的に10万円を支払うという制度ではありません。

法務省によれば、登記官が義務違反を把握した場合、義務違反者に対して相当の期間を定めて履行を催告し、それでも正当な理由なく申請されない場合に、裁判所への通知が行われるという運用が示されています。


2.不動産を売却したり、担保を設定したりすることが難しくなる

相続した土地や建物を将来売却したいと思っても、相続登記をしないままでは、そのままスムーズに売却することはできません。

例えば、登記簿上の所有者が亡くなった父親のままだとします。

その不動産を子どもが相続して売却しようとしても、まず現在の所有者を登記上明らかにするため、相続登記を行う必要があります。

つまり、

「相続したけれど、とりあえず名義は父のままでいい」

と放置していると、いざ売却したいと思ったときに、相続登記から始めなければならなくなります。

また、不動産を担保に金融機関から融資を受けたい場合などにも、登記上の所有者が誰なのかが重要になります。

司法書士会も、相続登記をしないままでは相続した不動産の売却ができず、長期間放置すると相続関係が複雑になり、登記そのものが難しくなるリスクがあると案内しています。

 


3.時間が経つほど「相続人が増える」可能性がある

これが、相続登記を放置する大きなリスクの一つです。

例えば、

父が亡くなった場合

相続人が、

  • 長男
  • 次男
  • 長女

の3人だったとします。

ところが、相続登記をしないまま10年が経過し、その間に長男が亡くなったとします。

すると、長男が持っていた相続上の権利について、長男の相続人が関係してくることになります。

さらにその相続人が亡くなると、また次の世代が関係することがあります。

最初は、「兄弟3人で話し合えば終わる相続」だったものが、時間が経つことで、

「会ったこともない親族を含めて話し合わなければならない相続」

になってしまうことがあります。

こうなると、遺産分割協議を成立させること自体が難しくなる場合があります。

 


4.「所有者不明土地」の問題につながる

相続登記をしないまま放置された不動産が増えると、登記簿を確認しても現在の所有者が分からない「所有者不明土地」が発生する原因となります。

相続登記の義務化は、このような所有者不明土地問題を解消するための重要な制度の一つです。

つまり相続登記は、単に「自分の不動産の名義を変更する」というだけではなく、将来の不動産取引や土地の適切な管理にも関係する重要な手続きなのです。

 


具体例|相続登記を放置するとどうなる?

具体例①「父の家だから自分が住んでいるし問題ない」

父が亡くなり、長男が実家を引き継ぎました。

長男はその家に住み続けているため、「自分が住んでいるから、名義変更は急がなくてもいいだろう」と考え、相続登記をしませんでした。

その後、10年が経過して、その家を売却することになりました。

ところが、登記簿上の名義は亡くなった父親のままです。

この場合、売却の前提として相続登記を行う必要があります。

しかも、その10年間に相続人の一人が亡くなっていた場合などには、さらに相続人の調査が必要になる可能性があります。

「今は困っていないから大丈夫」ではなく、「将来困る可能性がある」というのが相続登記を放置する大きな問題です。

 


具体例②「何十年も前の相続だから、もう関係ない」

例えば、父が2018年に亡くなり、土地の名義が現在も父のままだとします。

「もう何年も前のことだから、相続登記の義務化とは関係ない」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、2024年4月1日より前に発生した相続についても、相続登記の義務化の対象です。

この場合、原則として2027年3月31日までに相続登記を申請する必要があります。

2026年現在、過去の相続を放置している方にとっては、決して遠い期限ではありません。

 


具体例③「兄弟で話し合えばいいと思っていた」

父が亡くなり、相続人は兄と弟の2人。

「そのうち話し合って決めよう」と考えているうちに、数年が経過しました。

さらに兄が亡くなってしまい、兄の妻や子どもが相続関係に入ることになりました。

こうなると、最初は兄弟2人で済んだ話し合いが、より多くの相続人との協議になってしまいます。

相続は、時間が経てば自然に簡単になるとは限りません。むしろ、放置するほど複雑になるケースがあります。

 


相続人同士の話し合いがまとまらない場合は?

相続登記をしようと思っても、「誰が不動産を取得するのか決まらない」というケースがあります。

遺産分割協議がまとまらないからといって、相続登記の申請義務がなくなるわけではありません。

このような場合には、相続人申告登記という制度を利用する方法があります。

相続人申告登記は、登記簿上の所有者について相続が開始したことと、自分がその相続人であることを法務局に申し出ることで、相続登記の申請義務を履行したものと扱う制度です。

ただし、相続人申告登記をしただけで、不動産の名義が最終的な相続人に変更されるわけではありません。

登記簿上の名義人は、亡くなった方のままです。

遺産分割が成立して不動産を取得する人が決まった場合には、その内容に基づく相続登記が必要になります。

 


相続登記をするために必要な手続き

一般的な相続登記では、次のような手続きを行います。

① 不動産を確認する

亡くなった方が所有していた土地・建物を確認します。

固定資産税の納税通知書や権利証などを確認するほか、登記事項証明書などを取得して不動産の状況を調査します。

② 相続人を調査する

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを収集し、相続人を確定します。

過去の相続が未処理になっている場合には、何代にもわたる戸籍の調査が必要になることもあります。

③ 遺言書の有無を確認する

遺言書がある場合には、その内容を確認します。

遺言書の種類や内容によって必要な登記手続きが変わることがあります。

④ 遺産分割協議を行う

遺言書がなく、法定相続分とは異なる割合で不動産を取得する場合などには、相続人全員で遺産分割について話し合います。

⑤ 必要書類を準備する

戸籍関係書類、遺産分割協議書、印鑑証明書など、ケースに応じた書類を準備します。

⑥ 法務局へ相続登記を申請する

必要な書類をそろえて、不動産を管轄する法務局へ相続登記を申請します。

相続登記には登録免許税が必要ですが、一定の要件を満たす場合には免税措置が適用されることがあります。


相続登記は自分でできる?

相続登記そのものは、相続人が自分で申請することもできます。

ただし、相続人の調査や戸籍の収集、不動産の確認、遺産分割協議書の作成など、手続きには専門的な知識が必要になる場合があります。

特に、

  • 相続人が多い
  • 何年も前の相続である
  • 祖父母名義の不動産が残っている
  • 相続人の一人が亡くなっている
  • 相続人が遠方に住んでいる
  • 不動産が複数ある
  • 土地の場所がよく分からない
  • 遺産分割協議がまとまらない

といったケースでは、早めに司法書士へ相談することをおすすめします。

 


井上法務事務所に相続登記をご相談いただく場合

沖縄県内で相続登記についてお悩みの方は、司法書士・行政書士 井上法務事務所へご相談ください。

井上法務事務所では、単に「相続登記の申請書を作る」というだけではなく、相続全体の状況を確認したうえで、必要な手続きを整理します。

例えば、

  • 相続人の調査
  • 戸籍・除籍・改製原戸籍等の収集
  • 相続関係の確認
  • 不動産の調査
  • 遺言書の確認
  • 遺産分割協議書の作成
  • 法定相続情報一覧図の取得
  • 相続登記の申請
  • 相続人申告登記についてのご相談
  • 相続した不動産の売却・処分に関するご相談
  • 相続した農地などの行政手続きに関するご相談

など、相続に関連して発生するさまざまな問題についてご相談いただけます。

特に、

「父名義の土地が残っている」

「祖父名義の土地を相続したままになっている」

「何十年も前の相続をそのままにしている」

というケースは、時間が経つほど相続関係が複雑になる可能性があります。

「相続登記をしないとどうなるのか分からない」という段階でも構いません。

まずは現在の登記名義や相続関係を確認することから始めましょう。

 


まとめ|相続登記は「今困っていないから大丈夫」ではありません

相続登記をしないまま放置すると、

  • 10万円以下の過料の対象になる
  • 不動産の売却や担保設定などが難しくなる
  • 相続人が増えて遺産分割協議が複雑になる
  • 所有者不明土地につながる可能性がある

など、さまざまな問題が生じる可能性があります。

特に、2024年4月1日より前に発生した相続についても相続登記の義務化の対象となっており、原則として2027年3月31日が対応期限です。

相続登記は、

「期限ぎりぎりになってからやればいい手続き」ではありません。

時間が経つほど、相続人の調査や遺産分割協議が難しくなることがあります。

「親名義の土地がそのままになっている」

「昔の相続を放置している」

「相続人が誰なのか分からない」

「兄弟と話し合いがまとまらない」

このような場合には、まず専門家に現在の状況を確認してもらうことをおすすめします。

沖縄県宜野湾市の司法書士・行政書士 井上法務事務所では、相続登記をはじめ、相続人調査、戸籍収集、遺産分割協議書の作成など、相続に関する手続きをサポートしています。

相続登記を放置している不動産がある方は、お早めにご相談ください。

困ったことがあったらまずは、ご相談ください

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